免 許

2026年(令和8年)10月本試験対応

「免許が要る・要らない」で迷わない。欠格事由・免許換え・廃業届まで、ひっかけ論点を一気に整理。

1そもそも免許が必要な「宅建業」とは?

不動産取引は金額が大きく、一般消費者が大きな不利益を受けやすいため、一定の取引を業として行う者には免許が必要です。まずは、「宅地・建物」「取引」「業として行う」の3要件を順番に確認するのが基本です。
宅建業の3要件
① 宅地・建物 ② 取引 ③ 業として行う
学習のコツ
【学習のコツ】「何を」「どう取引し」「どんな相手に続けて行うか」で判定する

宅建業かどうかは、いきなり細かい例外で覚えるより、①対象が宅地・建物か、②売買・交換・代理・媒介に当たるか、③不特定多数に対して反復継続しているか、の順に確認すると整理しやすくなります。問題文を見たら、まずこの3つに線を引く習慣をつけると得点しやすくなります。

「②取引」に当たるもの・当たらないもの

宅建業法でいう「取引」は、自ら売買・交換すること、または他人の売買・交換・貸借を代理・媒介することです。ここで最もよく狙われるのが「自ら貸借」です。

重要ポイント
【重要ポイント】「自ら貸借(自ら貸主になること)」は宅建業に当たらない
  • 自分が所有するアパート・マンション・駐車場を直接貸す行為は、宅建業法の「取引」には含まれません。
  • そのため、大家さんが何部屋も反復継続して貸していても、原則として宅建業免許は不要です。
  • 一方で、他人の物件の貸借を代理・媒介する場合は宅建業に当たるため、免許が必要です。

「③業として行う」とは何か

「業として行う」とは、不特定多数の相手に対し、反復継続して行うことをいいます。1回きりの単発行為か、繰り返し商売として行っているかがポイントです。

注意ポイント
【注意ポイント】「社員だけに売るから免許不要」は誤りになりやすい

相手が自社社員だけであっても、分譲住宅などを反復継続して売るのであれば、実質的には多数人を相手に取引しているのと同じと考えられ、宅建業に当たります。反対に、自宅を特定の友人に1回だけ売るようなケースは、反復継続性がないため通常は宅建業に当たりません。

試験での見分け方
「自ら貸す」は免許不要、「自ら売る」は業として行えば免許必要、「他人の貸し借りを仲介する」は免許必要、という3つを先に固めると、ひっかけ肢に強くなります。

2免許の種類と有効期間

知事免許か大臣免許かは、どの都道府県に事務所を置くかで決まります。取引できる地域の広さで決まるのではない点が重要です。
都道府県知事免許

1つの都道府県内だけに事務所を置く場合

例:東京都内に本店と支店を置く
東京都知事免許
国土交通大臣免許

2つ以上の都道府県にまたがって事務所を置く場合

例:東京に本店、神奈川に支店を置く
国土交通大臣免許
重要ポイント
【重要ポイント】知事免許でも全国の物件を取り扱える

知事免許か大臣免許かは、あくまで事務所の所在で決まります。知事免許だからその都道府県の物件しか扱えない、というルールはありません。試験では「免許の種類=業務の範囲」と勘違いさせるひっかけに注意です。

学習のコツ
【学習のコツ】「何県で営業するか」ではなく「どこに事務所があるか」で覚える

知事か大臣かを判断するときは、物件の場所や取引相手の住所を見るのではなく、会社の本店・支店などの事務所が何都道府県にあるかを見るのがコツです。問題文に「全国の物件を扱っている」と書かれていても、それだけでは大臣免許とは限りません。

有効期間と更新手続

重要ポイント
【重要ポイント】免許の有効期間は5年、更新申請は満了日の90日前から30日前まで

知事免許・大臣免許ともに有効期間は5年です。更新したい場合は、有効期間満了日の90日前から30日前までに更新申請を行う必要があります。試験では「30日前まで」「90日前から30日前まで」の数字がそのまま問われやすい論点です。

数字の覚え方
免許の有効期間は「5年」、更新は「90日前〜30日前」、変更届は後で出てくる「30日以内」。この3つはセットで整理しておくと混乱しにくくなります。

3【超重要】免許の欠格事由

欠格事由は、宅建業法の中でも特に差がつきやすい分野です。5年間免許を受けられないタイプと、状態が続く限り免許を受けられないタイプを分けて整理すると覚えやすくなります。
重要ポイント
【重要ポイント】法人は「役員等」や政令使用人のうち1人でも欠格に当たると免許を受けられない
  • 法人申請では、その法人自身だけでなく、役員政令で定める使用人(支店長など)も審査対象です。
  • 非常勤取締役監査役も試験上は見落としやすい論点です。
  • 1人でも欠格事由に該当すれば、法人全体が免許を受けられません。
【重要ポイント】欠格事由の全体像
区分 代表例 押さえるべきポイント
5年間免許を受けられないもの 禁錮以上の刑、特定の罪による罰金、悪質な免許取消し、不正・著しく不当な行為など 「いつから5年か」「罰金でもアウトになる罪は何か」を聞かれやすいです。
状態が続く限り免許を受けられないもの 成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者など 年数ではなく、その状態が解消したかどうかで判断します。
申請書類や体制面の不備 重要事項の虚偽記載・記載漏れ、専任の宅建士の設置不足 単なる人物要件だけでなく、申請内容や人的体制も審査対象です。

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主な5年欠格パターン

欠格事由 詳細とひっかけポイント
禁錮以上の刑に処せられた者 罪の種類を問わず、禁錮・懲役・拘禁刑に当たる重い刑が確定した場合は原則としてアウトです。交通違反などの軽微な罰金と混同しないことが大切です。
特定の罪罰金刑に処せられた者 宅建業法違反、傷害・暴行などの暴力的犯罪、背任などは、罰金でも欠格事由になります。反対に、道路交通法違反や過失犯による罰金は、そのまま欠格になるわけではありません。
悪質な理由で免許を取り消された者 不正な手段による免許取得、情状が特に重い不正行為、業務停止処分違反などで免許取消しを受けた場合、取消しの日から5年間は免許を受けられません。
聴聞公示後に廃業届を出した者・その直前の役員 取消処分を逃れるための駆け込み廃業も対策されています。さらに、聴聞の期日等の公示日前60日以内に役員だった者も個人として5年間免許を受けられません。

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注意ポイント
【注意ポイント】執行猶予つきのときは「猶予期間満了後すぐ申請可」

禁錮以上の刑などであっても、執行猶予が付いた場合は、猶予期間中は免許を受けられませんが、猶予期間が満了した後は、さらに5年待つ必要はありません。ここは数字感覚で間違えやすい論点です。

学習のコツ
【学習のコツ】欠格事由は「5年組」と「状態組」に二分して暗記する

刑罰・取消し・聴聞公示まわりは「5年組」、成年被後見人・被保佐人・破産者で復権を得ない者は「状態組」と分けると整理しやすくなります。さらに法人では「誰が欠格でも法人全体がアウトか」を横にメモしておくと、問題演習で迷いにくくなります。

4事務所の変更と「免許換え」

事務所の置き方が変わって、知事免許と大臣免許の区分が変わるときは、免許換えが必要です。どのケースで区分変更になるのかと、申請先をセットで押さえましょう。
知事 → 大臣
1都道府県のみ

2都道府県以上に事務所を設置
大臣 → 知事
2都道府県以上

1都道府県のみに縮小
知事 → 別の知事
旧都道府県の事務所を廃止

他の1都道府県へ移転
注意ポイント
【注意ポイント】古い教材の「知事経由」は要更新。現在は大臣免許関係を直接申請

2024年5月25日以降、国土交通大臣免許に関する申請等は、都道府県知事の経由事務が廃止され、各地方整備局等へ直接申請する取扱いに変わっています。2026年本試験向けには、この新しいルールで整理しておくのが安全です。

重要ポイント
【重要ポイント】免許換えの申請先は「新しく受ける免許の行政庁」で整理する
  • 知事免許 → 大臣免許:主たる事務所所在地を管轄する地方整備局等へ直接申請
  • 大臣免許 → 知事免許:新しく免許を受ける都道府県知事へ直接申請
  • 知事免許 → 別の知事免許:移転先の新しい都道府県知事へ直接申請
学習のコツ
【学習のコツ】まず「次は誰の免許になるか」を決めてから申請先を見る

免許換えは、移転前の免許権者で考えると混乱しやすい論点です。先に「変更後は知事免許か、大臣免許か」を決め、その新しい行政庁に出すイメージで整理すると覚えやすくなります。特に大臣免許関係は最新ルールへの更新を忘れないようにしましょう。

5変更の届出と「廃業等の届出」

免許取得後も、名簿登載事項に変更があれば届出が必要です。さらに、死亡・合併・破産・解散・廃止があったときは、誰が・いつまでに・いつ免許が失効するかまで問われます。
重要ポイント
【重要ポイント】商号・役員・事務所・専任宅建士などの変更は30日以内に届出

宅建業者名簿に登載される重要事項に変更があったときは、30日以内に変更届を提出します。頻出なのは、商号や名称、役員の氏名、事務所の名称・所在地、専任の宅地建物取引士の変更です。

注意ポイント
【注意ポイント】「資本金の変更」「役員の住所変更」は届出事項ではない

問題文では、届出が必要な事項と不要な事項を混ぜて出題されます。特に、資本金の変更役員の住所変更は届出事項ではない点がよく狙われます。逆に、役員そのものの交代や事務所所在地の変更は届出対象です。

廃業等の届出

「誰が届けるか」と「免許がいつ失効するか」は別論点です。死亡・合併と、破産・解散・廃止を分けて覚えると整理しやすくなります。

廃業等の理由 届出義務者 届出期限 免許の失効時期
個人の死亡 相続人 死亡の事実を知った日から30日以内 死亡した時
法人の合併による消滅 消滅した法人の代表役員であった者 合併の日から30日以内 合併した時
破産手続開始の決定 破産管財人 決定の日から30日以内 届出をした時
合併・破産以外の理由による解散 清算人 解散の日から30日以内 届出をした時
宅建業の廃止 法人:代表役員/個人:本人 廃止の日から30日以内 届出をした時

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重要ポイント
【重要ポイント】死亡・合併は「事実発生時」に失効、破産・解散・廃止は「届出時」に失効

届出期限と失効時期は必ず切り分けて覚えます。死亡や合併は、その事実が起きた時点で免許が失効します。これに対し、破産・解散・廃止は、原因が発生しただけでは直ちに失効せず、届出をした時に失効します。

学習のコツ
【学習のコツ】「誰が」「いつまで」「いつ失効」の3列で音読する

廃業等の届出は、文章で読むより表を見ながら3点セットで唱えると定着します。特に「破産は破産管財人」「解散は清算人」「死亡は知った日から30日以内」という組み合わせは、そのまま択一肢にされやすいところです。

この科目をさらに「得点源」にするPDF教材

A4サイズで見返しやすい形に整理した補助教材です。本文で理解した内容を、直前確認とひっかけ整理に結びつける用途で使えるよう構成しています。

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免許が必要な取引 判定フロー

「自ら貸借」「代理・媒介」「業として行う」の順で、免許の要否を一枚で判定できる整理シート。

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免許の欠格事由 暗記シート

「5年組」と「状態組」、執行猶予、60日前役員まで整理した直前確認用の比較シート。

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廃業届の義務者・失効時期 比較表

死亡、合併、破産、解散、廃止の「誰が」「いつまでに」「いつ失効」の3点をまとめた比較表。