土地・建物

2026年(令和8年)10月本試験対応

地形の安全性、構造の違い、建材の性質をまとめて整理。5問免除で差がつく“ひっかけ知識”を一気に得点源にします。

1土地の知識(地形と宅地の適性)

宅地として望ましい土地は、一般に地盤が比較的安定し、水はけが良く、浸水や液状化のリスクが低い場所です。同じ「平らな土地」に見えても、もともとどのようにできた地形かで安全性が大きく変わります。試験では地形名と特徴を正反対に入れ替えたひっかけが多いため、“向く地形”と“注意が必要な地形”をセットで覚えることが大切です。

学習のコツ
【学習のコツ】まずは「高くて乾いた土地」と「低くて湿った土地」に分ける

台地・段丘・扇状地は比較的高く乾いた地形として整理し、旧河道・後背湿地・埋立地は低く湿った地形として整理すると、宅地の適否を判断しやすくなります。細かい地形名を単独で覚えるより、「なぜ危ないのか」「なぜ向いているのか」を合わせて押さえる方が失点しにくくなります。

台地・段丘

周囲の低地より一段高い平坦面です。一般に地盤が比較的安定し、水はけも良いため、宅地として適した地形と整理されます。

※ ただし台地の縁辺部や段丘崖の近くでは、崖崩れ・がけ条例・造成の安全性に注意が必要です。

扇状地

川が山地から平地へ出るところで砂礫が扇形に堆積した地形です。水はけが良く、地盤条件も比較的良いため宅地に向くとされます。

※ 谷口付近では土石流や急流による被害に注意が必要です。

自然堤防

洪水時に川沿いへ土砂が堆積してできた周囲よりわずかに高い土地です。低地の中では相対的に宅地に向く側ですが、完璧に安全というわけではありません。

大きな洪水では冠水の可能性があり、地下水位の浅い縁辺部では液状化に注意する場面もあります。

旧河道

昔の川筋が埋め立てられたり、流路が変わったりして残った地形です。砂や泥が残りやすく、地下水位も浅いため、軟弱地盤になりやすいのが特徴です。

不同沈下・浸水・液状化のリスクが高く、宅地としては注意が必要です。

重要ポイント
【重要ポイント】「自然堤防」は低地の中では比較的よいが、「旧河道」は危険側で覚える

自然堤防と旧河道はどちらも川の近くにできる地形ですが、試験では評価が逆になります。自然堤防は“低地の中ではやや高く比較的よい”、旧河道は“昔の川跡で軟弱・液状化しやすい”と整理すると混同しにくくなります。

2注意すべき地形(水害・液状化リスク)

宅地に向くかどうかを判断するときは、単に「平らかどうか」だけでなく、浸水しやすいか、地震時に液状化しやすいか、崩れやすいかという観点も必要です。とくに後背湿地・埋立地・断層周辺は、試験で繰り返し問われる代表的な注意地形です。

注意ポイント
【注意ポイント】「水が集まりやすい土地」は宅地に不利になりやすい

後背湿地や旧河道のように、もともと水がたまりやすい・流れやすい土地は、地盤が弱いだけでなく浸水被害も受けやすいです。問題文で「平坦である」「住宅が建っている」という事情があっても、それだけで安全とは判断しないようにしましょう。

  • 後背湿地
    自然堤防の背後に広がる低湿地です。排水不良で浸水しやすく、地下水位も浅いため、地震時の揺れや液状化にも注意が必要です。
  • 埋立地・干拓地
    海・湖・湿地などを人工的に埋め立てた土地です。地盤改良がされている場合もありますが、一般論としては液状化や沈下への注意が必要な地形として扱います。
  • 活断層周辺
    断層そのものや近接地では、地震動や地表変位による被害リスクを考慮する必要があります。宅建では「断層=安全」とする出題はまず誤りです。
重要ポイント
【重要ポイント】液状化は「砂質で地下水位が浅い場所」で起こりやすい

旧河道や埋立地が試験で危険視されるのは、砂質地盤で地下水位が浅い条件がそろいやすいからです。単に「低地だから」ではなく、液状化しやすい仕組みまで結びつけておくと、応用問題にも対応しやすくなります。

3等高線と地形図の読み方

土地の高低差や尾根・谷の形は、地形図の等高線を読むことでつかめます。宅建では専門的な地図読解までは要求されませんが、「等高線の間隔」と「出っ張り・へこみ」の見方は定番です。

学習のコツ
【学習のコツ】等高線は「間隔」と「V字の向き」を見る

等高線の間隔が狭いほど傾斜は急で、広いほど傾斜は緩やかです。さらに、等高線が高い方へ食い込むようにV字に曲がる場所は谷、反対に外へ張り出すような形は尾根と整理すると覚えやすくなります。

等高線の間隔と傾斜
間隔が狭い=急傾斜
線が密集するほど高低差が短い距離で変化しています。
間隔が広い=緩傾斜
平坦地やなだらかな斜面では線が疎になります。
尾根線と谷線
等高線が外へ張り出すように見える 尾根
等高線が高い方へ食い込む 谷には水が集まりやすく、浸食や崩壊にも注意します。

4建物の構造(木造・RC造・S造など)

建物は使用する材料や骨組みのつくり方によって性能が大きく変わります。宅建では、それぞれの構造の強み・弱み・使われやすい場面を比較できるようにしておくことが重要です。

構造 特徴・メリット・デメリット
木造
(W造)
比較的軽く加工しやすく、住宅で広く使われます。乾燥した木材は強度が高まりやすい一方、湿気が多いと腐朽やシロアリ被害に注意が必要です。
鉄骨造
(S造)
鋼材を使うため軽量で高強度、長いスパンを飛ばしやすい構造です。工場・店舗・体育館など広い空間を確保したい建物に向きますが、火災時の高温で強度低下しやすく、防火被覆や耐火設計が重要です。
鉄筋コンクリート造
(RC造)
耐震性・耐火性・遮音性に優れ、共同住宅や中高層建築で多く使われます。コンクリートの圧縮に強い性質と、鉄筋の引張に強い性質を組み合わせるのがポイントです。
鉄骨鉄筋コンクリート造
(SRC造)
鉄骨の強さとRCの性能を組み合わせた構造で、高層建築などで用いられます。強度は高い一方で、施工費や工期は大きくなりやすいです。
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重要ポイント
【重要ポイント】RC造は「コンクリートが圧縮」「鉄筋が引張」を担当する

「コンクリートは引張に強い」と逆に出す問題は頻出です。RC造は、圧縮に強いコンクリートと引張に強い鉄筋を一体化することで性能を高めています。熱による膨張率が近いことも、組み合わせやすい理由のひとつです。

骨組みの方式(ラーメン構造とトラス構造)

  • ラーメン構造:柱と梁を剛接合して骨組みで力を受ける方式です。マンションやビルで多く使われ、開口部を取りやすいのが特徴です。
  • トラス構造:細長い部材を三角形に組み合わせて力を分散させる方式です。橋・鉄塔・大空間屋根などでよく使われます。

5建築材料と地震対策(免震・制震・耐震)

建築材料に関するひっかけポイント

土地・建物分野では、材料の性質を逆にした問題がよく出ます。とくにコンクリート、木材、鉄骨の特徴は正確に整理しておきましょう。

コンクリートと鉄筋

コンクリートは圧縮に強く、引張に弱い材料です。これに対し、鉄筋は引張に強いため、RC造では両者を組み合わせて弱点を補います。

鉄筋とコンクリートは熱による伸び縮みの割合が近く、一体的に働きやすい組み合わせです。
木材と集成材

木材は乾燥により寸法安定性が増し、建築用材としての品質や強度を高めやすくなります。含水率が高すぎると腐朽・変形の原因になります。

集成材は小さな材を接着して一体化したもので、品質のばらつきを抑えやすく、大断面材にも対応しやすい材料です。
注意ポイント
【注意ポイント】「乾燥すると木材は弱くなる」「コンクリートは引張に強い」はどちらも誤り

感覚に反するため間違えやすい論点です。乾燥木材は建築用材としての品質を高めやすく、コンクリートは引張には弱い材料です。問題文が“もっともらしい説明”になっていても、材料ごとの得意・不得意で判断してください。

地震対策(耐震・制震・免震の違い)

地震への備えは「揺れに耐える」「揺れを吸収する」「揺れを伝えにくくする」の3つに大きく分けられます。用語のすり替えがとても多い論点です。

  • 耐震構造
    柱・梁・壁などを強くして、建物自体が揺れに耐える考え方です。壊れにくくすることが中心で、揺れそのものは建物に伝わります。
  • 制震構造
    ダンパーなどの装置で揺れのエネルギーを吸収し、建物の変形や揺れを抑える考え方です。高層建築でも採用されます。
  • 免震構造
    建物と基礎の間に免震装置を設け、地盤の揺れが建物へ直接伝わりにくくする考え方です。室内の家具転倒防止にも有利です。
重要ポイント
【重要ポイント】ダンパーは「制震」、基礎と建物の間の免震装置は「免震」

「ダンパーで揺れを吸収する」を免震の説明として出す問題が多いですが、それは制震です。免震は“受け流す”、制震は“吸収する”、耐震は“耐える”と、動詞で覚えると整理しやすくなります。

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