景品表示法

2026年(令和8年)10月本試験対応

徒歩80m=1分、建築後1年未満かつ未入居で新築。広告ルールと景品上限額の数字を、ひっかけまでまとめて一気に整理します。

1景品表示法と公正競争規約の全体像

景品表示法は、事業者が商品・サービスを売るときに、うそや大げさな表示、過大な景品類の提供で消費者を不当に誘うことを防ぐ法律です。不動産広告でも当然この法律がベースになります。

そのうえで不動産業界では、景品表示法の考え方を具体化した自主ルールとして、「不動産の表示に関する公正競争規約」「不動産業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」が運用されています。宅建試験で問われるのは、法律名の暗記というより、そこから出てくる具体的な広告ルールと数字です。

学習のコツ
【学習のコツ】法律と規約を分けて覚える

まずは「景品表示法=うそ表示や過大景品を禁止する大もとの法律」、次に「公正競争規約=不動産広告でどう表示するかを細かく決めた業界ルール」と切り分けると整理しやすくなります。宅建本試験では、後者の規約から出る具体的な数字が点になります。

重要ポイント
【重要ポイント】試験で固定化している4テーマ
  • 徒歩所要時間の計算基準
  • 「新築」「DK」「LDK」など特定用語の使い方
  • おとり広告・優良誤認表示・有利誤認表示
  • 一般懸賞・共同懸賞・総付景品の上限額
注意ポイント
【注意ポイント】宅建業法との二重チェック

不動産広告では、景品表示法・公正競争規約だけでなく、宅建業法の誇大広告規制にも同時に触れることがあります。とくにおとり広告は、景表法系の問題としても宅建業法の問題としても出しやすい論点です。

2不動産広告の表示ルール

不動産広告では、表示の仕方に統一ルールがあります。とくに徒歩分数、新築の定義、DK・LDKの広さ、写真表示は毎年のように問われます。

学習のコツ
【学習のコツ】数字はセットで覚える

「80mで1分・端数切上げ」「新築は1年未満かつ未入居」「1DKは4.5帖、2DK以上は6帖、1LDKは8帖、2LDK以上は10帖」というように、ルールと数字を一体で覚えるとひっかけに強くなります。

表示テーマ ルール
徒歩所要時間 道路距離80mにつき1分で計算し、1分未満の端数は切り上げます。信号待ち、踏切待ち、坂道・階段による負担増は考慮しません。
新築 建築後1年未満で、かつ居住の用に供されたことがないものだけが「新築」です。1年を超えると未入居でも新築表示はできません。
DK・LDK 1部屋ならDK4.5帖以上・LDK8帖以上、2部屋以上ならDK6帖以上・LDK10帖以上が目安です。畳数換算は1畳=1.62㎡以上で計算します。
写真・動画 原則として取引するその物件を表示します。建築中などで使えないときは、施工者が過去に施工した類似建物の写真等を使える場合がありますが、他の建物である旨や異なる部位を明示しなければなりません。
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重要ポイント
【重要ポイント】徒歩分数は「道路距離」で測る

広告の徒歩分数は直線距離ではなく道路距離で計算します。しかも、信号待ちなどは含めないので、実際に歩く感覚より短く見えることがあります。問題文で「待ち時間を含めて算出する」とあれば誤りです。

注意ポイント
【注意ポイント】「未入居」=「新築」ではない

未入居でも建築後1年を経過していれば、新築表示はできません。ここは本試験の定番です。「未入居だから新築」と短絡しないようにしましょう。

注意ポイント
【注意ポイント】写真は「似ていれば何でもよい」わけではない

建築中の物件であっても、全く無関係の建物写真を注記なしで使うことはできません。使えるのは、施工者が過去に施工した類似建物など一定の場合に限られ、他物件写真である旨を明示する必要があります。

3禁止される広告と予告広告

景品表示法では、消費者に誤解を与える表示を禁止しています。不動産広告では、優良誤認表示、有利誤認表示、おとり広告が頻出です。また、価格未定の物件については予告広告が認められますが、使い方には条件があります。

重要ポイント
【重要ポイント】3つの不当表示を整理する
  • 優良誤認表示:品質・性能・設備などを実際より良く見せる表示
  • 有利誤認表示:価格・取引条件などを実際より有利に見せる表示
  • おとり広告:実在しない、取引する意思がない、又は取引できない物件で客を誘う表示

予告広告のルール

予告広告は、価格や賃料が未確定で、まだ直ちに取引できない新築分譲住宅・新築分譲マンション・一定の賃貸住宅などについて、本広告より先に取引開始時期を知らせる広告です。

学習のコツ
【学習のコツ】予告広告は「まだ申込みできない広告」

予告広告は便利な制度ですが、その広告段階では申込みを受けられません。したがって、「この広告では契約又は申込みはできない」という趣旨を明示する必要があります。「予告広告なのに申込み受付中」とする表示はおかしいと判断できます。

注意ポイント
【注意ポイント】おとり広告は「存在しない」だけではない

おとり広告は、架空物件だけでなく、すでに売約済みで取引できない物件や、実際には取引する意思がない物件で客を誘う場合も含みます。「実在しているからセーフ」とはなりません。

注意ポイント
【注意ポイント】有利誤認表示は価格だけではない

ローン条件、諸費用、値引き表示、比較広告など、取引条件を実際より有利に見せる表示も有利誤認の対象です。「この地域で最安」「今だけ大幅値引き」などは、根拠がなければ危険です。

4景品提供の上限額ルール

景品類は自由にいくらでも付けられるわけではありません。不動産業には特別の制限があり、懸賞か、懸賞によらない総付景品かで上限が変わります。ここは数字の入れ替え問題が定番です。

種類 上限額ルール
一般懸賞 最高額は取引価額の20倍まで。ただし10万円が上限です。総額は売上予定総額の2%以内です。
共同懸賞 最高額は30万円、総額は売上予定総額の3%以内です。複数事業者が共同で行う懸賞が対象です。
懸賞によらない景品
(総付景品を含む)
上限は取引価額の10分の1100万円のいずれか低い額です。高額物件でも無制限に景品を付けられるわけではありません。
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重要ポイント
【重要ポイント】総付景品は「10%まで」だけで止めない

宅建教材では「総付景品は取引価額の10分の1」と覚えがちですが、現在の不動産業の景品規約では100万円とのいずれか低い額という上限もあります。高額物件ではこちらが効いてきます。

注意ポイント
【注意ポイント】20倍は「一般懸賞」、10分の1は「総付景品」

「20倍」と「10分の1」は毎年のように入れ替えて出されます。くじ・抽選なら20倍、もれなくプレゼントなら10分の1と整理して、混同しないようにしましょう。

注意ポイント
【注意ポイント】値引きと景品は別物

売買代金そのものの減額は、正常な商慣習に照らして値引きと認められる限り景品類に当たらないことがあります。一方で、値引きに見せかけて使途制限のある金銭を渡すなど、実質が景品類なら規制対象になります。

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