地価公示法

2026年(令和8年)10月本試験対応

「誰が公示する?」「更地で見る?」「指標と規準はどう違う?」――頻出の言葉のすり替えを一気に整理!

1そもそも「地価公示法」とは?

不動産にはスーパーの商品のような「定価」がありません。そこで国の機関が毎年、代表的な土地の価格を調べて公表し、土地取引の目安を社会に示す仕組みが設けられています。これが地価公示です。

地価公示法の目的は、標準地を選定し、その正常な価格を公示することによって、一般の土地取引に対して指標を与えること、そして公共事業用地の取得価格算定や不動産鑑定評価の規準となることです。

学習のコツ
【学習のコツ】主役が「誰か」を最初に固定する

地価公示法では、標準地を選び、価格を判定し、官報で公示する主役は土地鑑定委員会です。国土交通大臣や都道府県知事が前面に出てくる問題は、主語のすり替えで誤答させる狙いが多いので、まず「主役=土地鑑定委員会」と固定して覚えると崩れにくくなります。

重要ポイント
【重要ポイント】地価公示は毎年1月1日時点の価格を3月に公示する

公示されるのは、毎年1月1日における標準地の単位面積当たりの正常な価格です。実際の公示は3月ごろに行われますが、価格判定の基準日は1月1日である点が重要です。

注意ポイント
【注意ポイント】「国土交通大臣が公示する」は誤り

地価公示法で標準地の選定と正常な価格の判定・公示を行うのは、国土交通省土地鑑定委員会です。「国土交通大臣が標準地を選定して公示する」とした問題は、宅建で非常によく出る典型的な誤りです。

2地価公示の手続きフロー

地価公示は、毎年ほぼ同じ流れで行われます。流れを押さえると、「誰が」「何人で」「どこに送るか」といった枝論点も整理しやすくなります。

① 標準地の選定

土地鑑定委員会が、都市計画区域その他の区域内から代表的な土地を選びます。

② 鑑定評価

各標準地について、2人以上の不動産鑑定士が鑑定評価を行います。
1人では足りません。

③ 正常な価格の判定・官報公示

土地鑑定委員会が鑑定結果を審査し、必要な調整を行って正常な価格を判定し、官報で公示します。

④ 関係市町村長へ送付・一般閲覧

公示後、土地鑑定委員会は関係市町村長へ書面と図面を送付し、市町村長はこれを一般の閲覧に供しなければなりません

重要ポイント
【重要ポイント】鑑定評価は「2人以上」、閲覧は「しなければならない」

数字と義務表現が頻出です。標準地の価格判定は2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求めて行います。また、関係市町村長は送付を受けた書面・図面を一般の閲覧に供することが努力義務ではなく法的義務です。

注意ポイント
【注意ポイント】「市町村長は努めればよい」は誤り

一般の土地取引を行う者は「指標として取引を行うよう努める」という努力義務ですが、市町村長の閲覧措置はそうではありません。閲覧に供しなければならないという義務規定です。

3「正常な価格」とは?(更地の原則)

地価公示で発表される価格は、単なる参考値ではなく、法律上の正常な価格です。これは「自由な取引が行われるとした場合に通常成立すると認められる価格」を意味します。

つまり、売り急ぎや買い急ぎ、特別な人間関係などの特殊事情を取り除いた、売手にも買手にも偏らない客観的な価格を示します。

更地の原則

標準地に建物が建っていても、借地権・地上権など土地の使用収益を制限する権利が付いていても、地価公示ではそれらが存在しないものとして価格を判定します。つまり、純粋な土地価格を求めるため、更地として評価します。

学習のコツ
【学習のコツ】「土地の値段だけを見る制度」と捉える

地価公示法は、建物付き不動産の総額を出す制度ではなく、土地そのものの価格を社会に示す制度です。なので、建物の構造・床面積・築年数・借家人の有無といった建物側の事情は原則として主役ではありません。この視点で読むと、公示事項や効力の論点が自然につながります。

注意ポイント
【注意ポイント】建物や地上権がある現況のまま評価するわけではない

標準地に建物等が存在していても、そのままの状態で値付けするのではありません。宅建では「建物付き土地として評価する」「地上権の負担を考慮した価格を公示する」といった肢が出ますが、これは更地の原則に反します。

4【超重要】官報で「公示される事項」

官報で何が公示され、何が公示されないかは、非常に狙われやすい論点です。前項の「更地の原則」とセットで押さえましょう。

区分 代表的な内容
公示される事項 標準地の所在・地番、住居表示、単位面積当たりの価格、価格判定の基準日、地積・形状、利用の現況、前面道路の状況、水道・ガス・下水道の整備状況、交通施設との接近状況、都市計画法その他の法令に基づく主要な制限など
公示されない事項 標準地上の建物の構造・用途・面積、建物固有の内容、地上権等の権利内容そのものなど、更地としての価格判定に直接出てこない建物・権利の中身
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【重要ポイント】一覧で覚えるより「土地の情報は○、建物の情報は×」で整理する

地積・形状・利用の現況・前面道路・インフラ・法令上の制限など、土地の客観的価値に作用する事情は公示されます。一方、建物の構造や床面積など、建物固有の情報は原則として公示事項ではありません。テーブル問題はこの線引きでかなり処理できます。

注意ポイント
【注意ポイント】「利用の現況」は公示されるが、「建物の面積」は公示されない

見た目が似ているため混同しやすいところです。「周辺の土地の利用の現況」は公示事項に入りますが、標準地にある建物の構造・面積までは公示されません。ここをひっかける選択肢がとても多いです。

5【超重要】地価公示の「効力」の違い

地価公示価格の使われ方は一律ではありません。一般の土地取引と、不動産鑑定評価・公共事業用地取得では、拘束力の強さが違います。

対象者・場面 地価公示価格の位置づけ
一般の土地取引を行う者 公示価格を指標として取引を行うよう努める
不動産鑑定士が公示区域内の土地を鑑定評価する場合 公示価格を規準としなければならない
公共事業用地の取得価格を算定する場合 公示価格を規準としなければならない
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学習のコツ
【学習のコツ】「一般人=指標」「プロと行政=規準」で二分する

一般の取引は市場の自由があるため、地価公示価格はあくまで指標です。これに対し、不動産鑑定士や公共事業用地取得は、適正価格に基づく必要が高いため規準になります。この二分で覚えると、「努める」と「しなければならない」を取り違えにくくなります。

重要ポイント
【重要ポイント】鑑定評価では「1又は2以上の標準地」との均衡を保つ

不動産鑑定士が公示区域内の土地について正常な価格を求めるときは、公示価格を規準とし、対象土地とこれに類似する利用価値を有すると認められる1又は2以上の標準地との比較を行って価格の均衡を保たせます。問題で「必ず1つだけ」「必ず2つ以上」と断定していたら要注意です。

注意ポイント
【注意ポイント】「一般の土地取引でも規準としなければならない」は誤り

地価公示価格には強い公共性がありますが、一般の私人間取引まで強制する制度ではありません。宅建では「一般の土地取引でも公示価格を規準としなければならない」という断定表現が頻出ですが、正しくは指標として取引を行うよう努めるです。

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