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【2026年法改正対応】「免許の区分」から「複雑な欠格事由」までを1枚で完全制覇!

1免許制度の基本と区分基準

宅地建物取引業(宅建業)を営むためには、不特定多数の消費者に対する安全な取引を確保するため、必ず免許を受けなければなりません。免許には「国土交通大臣免許」と「都道府県知事免許」の2種類が存在します。

この2つの免許区分は、宅建業を営む「事務所の所在地」だけで機械的に判断します。営業を行うエリアの広さや、扱う物件の所在地、案内所等の位置は一切関係ありません。

【要点整理】
免許の種類 区分基準 確認ポイント
都道府県知事免許 1つの都道府県内にのみ事務所を設置する場合 本店のみ、または同一県内だけに本店と支店があるケース。
補足:知事免許であっても、他の都道府県にある物件の売買や仲介をすることは完全に自由です。
国土交通大臣免許 2つ以上の都道府県にまたがって事務所を設置する場合 東京に本店、神奈川に支店を置くようなケース。
補足:大臣免許の申請や届出は、主たる事務所(本店)が所在する都道府県知さを必ず「経由」して行わなければなりません。
【図解】事務所の配置と免許の区分
同一県内のみ(都道府県知事免許) 本店(A県) ※宅建業を営む 支店(A県) ※宅建業を営む A県知事免許 営業活動・物件の取り扱いは全国どこでも可能! 複数県にまたがる(国土交通大臣免許) 本店(A県) ※宅建業を営む 支店(B県) ※宅建業を営む 国土交通大臣免許 A県知事を経由して大臣に免許申請を行う

事務所が同一都道府県内だけに収まっている場合は都道府県知事免許となり、1つでも他の都道府県に宅建業を営む事務所(支店など)が飛び出すと国土交通大臣免許が必要になります。なお、案内所や物件の所在地は免許区分の判定には一切影響しません。

2事務所の判定と「宅地建物取引」の定義

免許区分を判定する上での「事務所」とは、継続的に宅建業務を行える施設であり、かつ契約締結権限を有する使用人(支店長など)が常駐している場所を指します。

本店と支店の特殊な関係

  • 本店(主たる事務所):会社自体の中心であるため、そこで直接宅建業を行っていなくても、他の支店で宅建業を行っている以上、常に宅建業法上の「事務所」として扱われます。
  • 支店(従たる事務所):支店については、実際に宅建業を営んでいる場合のみ「事務所」としてカウントされます。

「宅地」と「取引」の厳密な定義

何が「宅地」にあたり、何が「取引」にあたるかを正確に見極める必要があります。

  • 宅地:現在建物が建っている土地や、建物を建てる目的の土地(用途地域内の土地は、道路・公園・河川等の公共施設用用地を除き、現況にかかわらずすべて宅地)。
    ※注意:ソーラーパネルの敷地は建物ではないため、用途地域外であれば宅地には該当しません。
  • 取引:自己の売買・交換、または売買・交換・貸借の「媒介(仲介)」「代理」を指します。
注意ポイント
【注意ポイント】自ら行う「貸借」は取引ではない!

自分が大家(当事者)となってアパートや土地を他人に貸し付ける「自ら貸借」や、それを借り上げてさらに転貸する「サブリース業」は、宅建業法上の「取引」に該当しません。そのため、不特定多数に反復継続して貸し出す場合であっても、免許は一切不要です。ただし、入居者募集の委託を受けたり、貸主を代理して契約を結ぶ「管理会社・仲介業者」は媒介・代理を行うため免許が必要です。

免許が完全に不要となる例外

国、地方公共団体(都道府県・市町村など)、地方住宅供給公社、都市再生機構(UR)には宅建業法自体が一切適用されないため、免許は完全に不要です。また、信託会社や信託業務を兼営する金融機関は、国土交通大臣に届出をすれば免許を受けずに宅建業を営むことができます(免許不要だが業法のルールは適用される)。
※農業協同組合(JA)は国等に含まれないため、業として行うには免許が必要です。

3免許申請手続きと宅建業者名簿・変更届

免許を受ける際は「免許申請書」を提出します。免許が交付されると、その情報は「宅建業者名簿」に登録され、一般に公開(閲覧可能)されます。名簿の登録内容に変更が生じた場合は、義務的に変更届を提出しなければなりません。

変更の届出(30日以内)

名簿に記載されている事項のうち、以下の重要項目に変更があった場合は、30日以内に免許権者へ届け出る必要があります。

【要点整理】
届出が「必要」な事項 届出が「不要」な事項
・商号または名称の変更
・事務所の名称、所在地の変更
・法人の役員(取締役・監査役・相談役・顧問など実質的支配力を有する者)の氏名
・政令で定める使用人(支店長など)の氏名
専任の宅地建物取引士の氏名
・免許証番号、免許年月日(免許権者が記載・把握しているため)
•指示処分、業務停止処分の年月日・内容
・宅建業以外の事業(兼業)の種類の変更
代表者個人の住所変更(名簿記載事項ではないため)
注意ポイント
【注意ポイント】専任宅建士が不足したときのルール

事務所ごとに設置しなければならない「成年者である専任宅建士」は、業務従事者の5人に1人以上(契約締結等をする案内所等は1人以上)という法定数があります。退職などでこの設置義務を満たさなくなった場合は、2週間以内に不足を補充するなどの必要な措置を講じなければなりません。満たさないまま放置すると免許基準不適合となります。

4免許の欠格事由(基本・刑罰・取消・未成年)

欠格事由とは、「この条件に該当する人(法人)には、恐ろしくて宅建業の免許を渡せない」という不適格基準のことです。本人だけでなく、法人の役員や政令使用人に一人でも該当者がいれば、法人全体が免許を受けられなくなります。

1. 破産者

破産手続開始決定を受けて、まだ復権を得ていない者は免許を受けられません。逆に、復権を得れば直ちに(5年を待たずに)免許を申請できます。

2. 刑罰による欠格

刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年間は欠格となります。犯罪の種類と刑罰の組み合わせを正確に整理しましょう。

  • 禁錮以上(禁錮・懲役):犯罪の種類を問わず、すべての犯罪でアウト。
  • 罰金刑宅建業法違反、暴力的な犯罪(傷害、暴行、脅迫など)、背任罪、または暴力団員による犯罪に限りアウト。
  • 執行猶予:執行猶予期間中は免許を受けられませんが、執行猶予期間が何事もなく満了すれば、その翌日に直ちに免許を取得できます。

3. 免許取消処分による欠格と「聴聞逃れ」対策

「不正手段による免許取得」「業務停止処分事由に該当し情状が特に重い」「業務停止処分違反」などの悪質な事由で免許を取り消された場合、取消日から5年間は免許を受けられません。法人の場合は、取消処分を審理する「聴聞の公示日」の前60日以内に役員だった者も一蓮托生で5年間欠格となります。

また、処分を察知して聴聞公示後に「相当な理由がないのに自主廃業の届出」をした場合(欠格逃れ防止)であっても、その届出の日から5年間は欠格事由として扱われます。

4. 未成年者と法定代理人

  • 成年者と同一の行為能力を有する未成年者(婚姻している、または宅建業の営業を許可されている場合):未成年者本人を基準に審査。
  • 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者:未成年者本人だけでなく、その法定代理人(親権者など。法人の場合はその役員も含む)に欠格がある場合、免許を受けられません。

5. 暴力団員等による欠格

暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者、および暴力団員等が事業活動を実質的に支配する者は一律で免許を排除されます。

【図解】刑罰・取消処分のタイムラインと欠格期間
パターンA:懲役刑や特定の罰金刑(執行終了の場合) 刑の執行終了 ←───── 5年間は免許を受けられない(欠格) ─────→ 5年経過:直ちに免許取得可能 パターンB:懲役刑(執行猶予が付いた場合) 判決確定(猶予開始) ←── 執行猶予期間中(欠格) ──→ 猶予期間満了 ★満了の翌日から取得可能!(5年不要)

実刑判決を受けた場合は、刑期を終えてから「5年間」経過しなければ絶対に免許を受けられません。これに対し、執行猶予がついた場合は、その猶予期間さえ何事もなく無事に満了すれば、5年を待つことなくその翌日からクリーンな状態に戻り、免許を取得できます。

5免許の効力・有効期間・更新・返納

免許は一度取得すれば永久に使えるわけではありません。適切な適格性を維持するため、定期的な更新が義務付けられています。

  • 全国一律の効力:知事免許であっても、営業の範囲に制限はありません。知事免許でも他県の物件を扱えるため、大臣免許と営業範囲はまったく同じです。
  • 有効期間は5年:免許の有効期間は5年間です。更新申請をしない場合、期間満了によって自動的に失効します。なお、免許番号の( )内の数字は更新回数を示します。
  • 更新申請中の期間満了:有効期間満了前に更新申請を行ったものの、行政側の審査中に5年の期間が満了してしまった場合は、処分が出るまでは従前の免許が有効に存続するため、そのまま営業を続けられます。
  • 条件の付加:免許権者は、免許の付与時だけでなく、更新時にも条件を付すこと(または変更すること)ができます。

免許証の返納ルール

交付された免許証は、特定の事由が生じた際に遅滞なく免許権者へ返納しなければなりません。

【要点整理】
返納が「必要」な場面 返納が「不要」な場面
・免許換えにより従前の免許が効力を失った場合
・免許取消処分を受けた場合
・亡失して再交付を受けた後、旧免許証を発見した場合
・廃業等の届出をする場合
有効期間満了による失効の場合
補足:期間満了は行政側で当然に失効が把握できるため、手続上の返納義務はありません。また、免許証を事務所や案内所等に掲示する義務はありません(掲示義務があるのは「標識」です)。

6免許換えの仕組みと手続き

営業中に事務所の新設や移転を行い、事務所がある都道府県の構成が変わった場合には、従来の免許から新しい状況に応じた免許へ変更する「免許換え」の手続きが必要です。廃業届を出すのではなく、直に新たな免許権者に申請します。

【要点整理】
免許換えのパターン 申請のルート 確認ポイント
知事 ➔ 大臣 (例:A県のみから、B県にも事務所を新設)
➔ 従前のA県知事を経由して大臣に申請する。
・免許換えは「新たな免許取得」と同じ扱いになります。
・したがって、免許換え後の新しい免許の有効期間は、一律で新たに5年間となります。
・免許換えが完了すると、従前の免許は自動的に効力を失います。旧免許証は遅滞なく返納します。
大臣 ➔ 知事 (例:A県とB県の事務所を、A県のみに縮小)
➔ 新たな免許権者であるA県知事に直接申請する。
知事 ➔ 別の知事 (例:A県のみからB県のみへ完全移転)
➔ 新たな免許権者であるB県知事に直接申請する。
注意ポイント
【注意ポイント】免許換えを怠った場合のペナルティ

事務所の所在地が変わり、免許換えが必要であるにもかかわらず申請を怠って営業を続けた場合、従前の免許を維持することはできず、必要的取消事由に該当します。そのまま取引を行うと監督処分や無免許営業(罰則)に直結するため、非常に重い違反行為として扱われます。

7廃業等の届出義務者と期間

宅建業者が事業を継続できなくなった場合、または消滅した場合は、その事実から30日以内に免許権者に知らせるため「廃業等の届出」を行う必要があります。試験では「誰が届出義務者か」と「起算点(いつから30日か)」が激しく狙われます。

【要点整理】
廃業・消滅の理由 届出の義務者 期間の起算点(すべて30日以内)
死亡 相続人 相続人が死亡の事実を知った日から30日以内
法人の合併による消滅 消滅した法人の代表役員であった者 合併の日から30日以内
破産手続開始決定 破産管財人 破産手続開始の決定があった日から30日以内
法人の解散 清算人 解散の日から30日以内
宅建業の廃止 本人(法人なら代表役員) 廃止の日から30日以内

※「死亡」のみが「知った日から」30日以内です。それ以外の合併・破産・解散・廃止はすべて「その事実があった日(発生日)」から30日以内ですので、絶対に混同しないでください。

8無免許営業・名義貸しの禁止

消費者保護と取引の安全を守るため、免許を持たない者が宅建業の取引を行うこと、およびそれに加担する行為は一切許されません。

  • 無免許営業の禁止:免許を受けずに宅建業を営むことは当然に禁止されます。また、免許が「有効期間満了により失効した後」や「取消処分を受けた後」に営業を継続することもすべて無免許営業に該当し、重い罰則の対象となります。
  • 名義貸しの禁止:正規に免許を受けた宅建業者が、自己の名義を他人に貸して宅建業を営ませる行為(名義貸し)は、相手が無免許者であるかどうかにかかわらず固く禁じられています。名義を借りた者による営業はもちろん、名義を貸した業者も一発で厳しい罰則および監督処分の対象となります。

9免許取消処分(必要的・任意的)

免許権者は、業者が一定の重大な違反行為や基準を満たさなくなった場合に、免許を剥奪する「取消処分」を行います。これには、該当すれば必ず取り消さなければならない「必要的取消事由」と、情状を考慮する「任意的取消事由」があります。

必要的取消事由(行政庁に裁量なし・必ず取消)

  • 業者が欠格事由に該当するに至ったとき(法人役員や政令使用人に欠格者がいる場合を含む)。
  • 不正の手段により免許、または免許の更新を受けたとき。
  • 業務停止処分事由に該当し情状が特に重いとき、または業務停止処分に違反して営業を行ったとき。
  • 免許を受けてから1年以内に業務を開始せず、または引き続いて1年以上業務を休止したとき。
  • 免許換え義務に違反(必要であるのに申請を行わなかった)したとき。

任意的取消事由(取り消すことができる)

  • 宅建業者が所在不明となり、免許権者が官報等で公告して30日を経過しても申出がないとき。

10ひっかけ対策

試験に出やすいひっかけ表現を整理します。正しい表現を理解しておきましょう。

× ひっかけ表現

A県知事の免許を受けた宅建業者が、B県内に新しく案内所を設置して売買契約の締結を行う場合、B県知事への免許換えの手続きを執らなければならない。

〇 正しい表現

免許の区分を判定する際、案内所等はいくら設置しても判定に含めません。あくまで「事務所(本店・宅建業を営む支店)」がどこにあるかだけで決まるため、案内所を他県に出しても免許換えは不要(A県知事免許のまま)です。

× ひっかけ表現

宅建業者の取締役が、プライベートで他人に怪我を負わせ傷害罪で罰金刑に処せられたとしても、宅建業法違反による刑罰ではないため、法人の免許が取り消されることはない。

〇 正しい表現

罰金刑の場合、「宅建業法違反」だけでなく「傷害罪・暴行罪・脅迫罪などの暴力的な犯罪」や「背任罪」によって処せられた場合は欠格事由に該当します。役員がこれに該当した以上、法人も一発で必要的免許取消処分を受けます。

× ひっかけ表現

宅建業者が宅建業を廃止したため廃業の届け出を行った。この場合、届け出を行った日から従前の免許は効力を失い、免許証は行政側が破棄するため返納する必要はない。

〇 正しい表現

廃業等の届出をする場合、提出と同時に(または事由発生と同時に)免許の効力は失われますが、手元に残った旧免許証は「遅滞なく」免許権者へ返納しなければなりません。返納が不要なのは有効期間満了による失効のみです。

× ひっかけ表現

国土交通大臣の免許を受ける宅建業者が、登録事項に変更が生じたため変更の届出を行う場合は、直接国土交通大臣へ変更届出書を郵送または持参しなければならない。

〇 正しい表現

国土交通大臣免許に関する「申請」や「変更の届出」は、すべて直接大臣に出すのではなく、必ず「主たる事務所(本店)の所在地を管轄する都道府県知事を経由」して提出しなければなりません。

最後に押さえるポイント
  • 免許の判定:事務所の所在地のみで決まる。知事免許でも全国で営業可能。案内所等は判定から除外する。
  • 事務所の定義:本店は宅建業を直接行わなくても常に事務所。支店は宅建業を営む場合のみ事務所。
  • 変更届(30日以内):商号、事務所、役員・政令使用人・専任宅建士の「氏名」が対象。住所変更は不要。
  • 刑罰欠格(5年):禁錮以上は全犯罪。罰金は業法違反・暴力罪・背任等に限定。執行猶予は満了翌日セーフ。
  • 廃業等の届出:死亡のみ「知った日から30日」。合併・破産・解散・廃止は「その日から30日」。
  • 免許換え:知事から大臣は知事経由、大臣から知事・知事から別知事は新知事へ直接申請。新有効期間は新たに5年。