「相続は非課税、贈与は課税」「土地10・家屋12/23」「住宅1,200万円控除」を一気に整理!
1不動産取得税とは?(基本事項)
不動産取得税は、土地や家屋を取得したときに一度だけかかる道府県税です。毎年かかる固定資産税とは異なり、取得のタイミングで課される点が大きな特徴です。
しかも、売買だけでなく、贈与、交換、新築、増築、改築などによる取得も対象になります。反対に、相続や一定の合併などのように、形式的な権利移転と考えられるものは非課税となります。
市町村税ではなく、原則として不動産の所在する都道府県が課税する地方税です。
土地・家屋を取得した事実に対して課税されます。売買価格ではなく、取得そのものが着眼点です。
【学習のコツ】固定資産税との違いを先に分ける
不動産取得税は「取得時に一回だけ」「都道府県税」、固定資産税は「毎年」「市町村税」です。両者を最初に切り分けておくと、課税主体や徴収方法の引っかけに強くなります。
2【重要】課税される取得・されない取得
宅建試験では、「どの原因で取得したか」によって課税・非課税が分かれる点が繰り返し問われます。特に、贈与と相続の違いは典型的なひっかけです。
| 課税される取得 | 非課税となる取得 |
|---|---|
|
|
【重要ポイント】有償・無償や登記の有無は問わない
不動産取得税は、代金を払ったかどうかや、登記をしたかどうかではなく、実質的に不動産を取得したかで判断されます。したがって、贈与でも課税され、未登記でも課税対象になることがあります。
【注意ポイント】「贈与は課税、相続は非課税」を逆にしない
無償で受け取るという意味では贈与も相続も似ていますが、税務上の扱いは異なります。宅建試験では「無償だから贈与も非課税」と誤認させる肢が定番です。迷ったら、相続だけが非課税と押さえるのが安全です。
3免税点(いくら未満なら課税されない?)
取得した不動産の価格があまりに小さい場合まで課税すると、税額より徴税コストのほうが大きくなります。そこで、不動産取得税には免税点が設けられています。
| 取得したもの | 免税点(これ未満なら課税されない) |
|---|---|
| 土地 | 10万円 未満 |
| 家屋(新築・増築・改築) | 23万円 未満 |
| 家屋(売買・贈与など建築以外) | 12万円 未満 |
【学習のコツ】「土地10・家屋12/23」で覚える
数字だけを見ると混乱しやすいので、「土地は10万円」「家屋は建築なら23万円、それ以外なら12万円」と、土地と家屋を分けて短いフレーズで暗記すると定着しやすくなります。
【注意ポイント】「未満」なので、ぴったりの額は課税される
土地10万円ちょうど、建築による家屋23万円ちょうど、建築以外の家屋12万円ちょうどは、いずれも免税点未満ではありません。試験では「以下」と読み違えさせる肢がよく出ます。
4課税標準と税率の基本
不動産取得税の計算式はシンプルで、税額 = 課税標準 × 税率です。ただし、宅建試験では「課税標準」と「税率」の特例が別々に問われるため、両者を混同しないことが重要です。
計算式自体は単純ですが、何を課税標準にするか、何%を掛けるかに特例があります。
① 課税標準
課税標準は、実際の購入価格や建築費ではなく、原則として固定資産課税台帳に登録された価格です。まだ台帳に登録されていない家屋については、統一基準に基づいて都道府県知事が価格を決定します。
【重要ポイント】宅地評価土地は「価格」を1/2にする
令和9年(2027年)3月31日までに取得した宅地評価土地は、課税標準となる土地の価格を1/2にして計算します。ここで1/2になるのは税率ではなく課税標準です。
② 税率
| 区分 | 税率 |
|---|---|
| 土地 | 3%(令和9年3月31日までの特例) |
| 住宅 | 3%(令和9年3月31日までの特例) |
| 住宅以外の家屋 | 4%(原則税率) |
【注意ポイント】「土地は税率1/2」ではない
宅地評価土地は、税率を半分にするのではなく、まず課税標準となる価格を1/2にしてから税率3%を掛けます。「価格1/2」と「税率3%」をセットで覚えておくと、計算問題で崩れにくくなります。
5【頻出】住宅・住宅用土地の軽減特例
不動産取得税では、住宅の取得や住宅用土地の取得について、負担を軽くする特例が用意されています。宅建試験では、この部分が最も実戦的に問われます。
① 新築住宅の特例
- 床面積が50㎡以上240㎡以下
- 戸建以外の貸家住宅は40㎡以上240㎡以下
- 評価額から1,200万円控除
一定の認定長期優良住宅については、一般住宅より控除額が大きくなります。
課税標準から 1,300万円 控除
【重要ポイント】一般住宅は1,200万円、認定長期優良住宅は1,300万円
2026年本試験対策では、一般住宅の1,200万円控除に加え、認定長期優良住宅の1,300万円控除も押さえておくと安心です。ただし、まず軸になるのは一般住宅の1,200万円控除です。
② 中古住宅の特例
中古住宅の軽減には、自己居住用であることや、新耐震基準との関係が加わります。
| 主な要件 | 内容 |
|---|---|
| 床面積 | 50㎡以上240㎡以下 |
| 利用目的 | 自己の居住用 |
| 耐震要件 | 昭和57年1月1日以後に新築、または新耐震基準適合の証明があること |
| 耐震改修型 | 取得後6か月以内に耐震改修を行い、適合証明を受けるものも対象 |
| 新築された時期 | 控除額 |
|---|---|
| 昭和56年7月1日~昭和60年6月30日 | 420万円 |
| 昭和60年7月1日~平成元年3月31日 | 450万円 |
| 平成元年4月1日~平成9年3月31日 | 1,000万円 |
| 平成9年4月1日以降 | 1,200万円 |
③ 住宅用土地の税額控除
建物だけでなく、要件を満たす住宅が建つ土地にも減額があります。ここでは、課税標準の特例ではなく、税額控除である点が重要です。
| 要点 | 内容 |
|---|---|
| 前提 | 建物が住宅特例の要件を満たしていること |
| 新築住宅用土地 | 土地取得から3年以内に住宅が新築される場合など |
| 中古住宅用土地 | 土地取得の前後1年以内に自己居住用中古住宅を取得する場合など |
| 減額される額 | 45,000円 と 土地1㎡当たりの価格 × 1/2 × 住宅床面積の2倍(200㎡限度) × 3% のいずれか多い額 |
【注意ポイント】建物の特例と土地の特例は別物だが、土地は建物要件に引っ張られる
土地だけを見て判断すると間違えやすい論点です。住宅用土地の軽減は、上に建つ住宅が特例要件を満たしてはじめて使えるのが基本です。土地単独で完結する制度ではありません。
6徴収方法と申告
不動産取得税は、自分で税額を計算して納める申告納付方式ではなく、都道府県から通知を受けて納める普通徴収が基本です。
徴収方法
普通徴収
都道府県から送付される納税通知書に基づいて納めます。
申告
不動産を取得した者は、原則として都道府県条例で定める期間内に、取得した不動産について申告します。軽減特例の適用には申告が必要になることがあります。
【重要ポイント】軽減特例は申告しないと受けられないことがある
住宅や住宅用土地の軽減は、自動で必ず反映されるとは限りません。試験では条文知識が中心ですが、実務寄りの理解として「特例は申告が前提になる場合がある」と押さえておくと整理しやすくなります。
【学習のコツ】最後は「主体・数字・特例の位置」で総点検する
不動産取得税は、論点が多いように見えても、最後は①誰が課税するか、②免税点や税率の数字、③課税標準の特例か税額控除か、の3点に集約できます。この3本柱で見直すと得点しやすくなります。
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不動産取得税 まとめ一覧表
課税主体・非課税・免税点・税率・軽減特例を1枚で横断整理。固定資産税との違いも比較できます。
住宅特例 判定フロー
新築・中古・住宅用土地のどの軽減が使えるかを、YES/NOで判定できる復習用シートです。
不動産取得税 ひっかけ対策集
「相続と贈与」「未満と以下」「課税標準か税率か」など、試験委員が好む罠をまとめて確認できます。