不動産取得税

2026年(令和8年)10月本試験対応

「相続は非課税、贈与は課税」「土地10・家屋12/23」「住宅1,200万円控除」を一気に整理!

1不動産取得税とは?(基本事項)

不動産取得税は、土地や家屋を取得したときに一度だけかかる道府県税です。毎年かかる固定資産税とは異なり、取得のタイミングで課される点が大きな特徴です。

しかも、売買だけでなく、贈与、交換、新築、増築、改築などによる取得も対象になります。反対に、相続や一定の合併などのように、形式的な権利移転と考えられるものは非課税となります。

誰が課税する?(課税主体)
都道府県

市町村税ではなく、原則として不動産の所在する都道府県が課税する地方税です。

何に対して?(課税客体)
不動産の取得

土地・家屋を取得した事実に対して課税されます。売買価格ではなく、取得そのものが着眼点です。

学習のコツ
【学習のコツ】固定資産税との違いを先に分ける

不動産取得税は「取得時に一回だけ」「都道府県税」、固定資産税は「毎年」「市町村税」です。両者を最初に切り分けておくと、課税主体や徴収方法の引っかけに強くなります。

2【重要】課税される取得・されない取得

宅建試験では、「どの原因で取得したか」によって課税・非課税が分かれる点が繰り返し問われます。特に、贈与と相続の違いは典型的なひっかけです。

課税される取得 非課税となる取得
  • 売買
  • 贈与
  • 交換
  • 新築・増築・改築
  • 競落・現物出資など
  • 相続による取得
  • 法人の合併又は一定の分割による取得
  • 土地区画整理事業や土地改良事業に伴う換地の取得
  • 公共の用に供する道路等の用地の取得
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重要ポイント
【重要ポイント】有償・無償や登記の有無は問わない

不動産取得税は、代金を払ったかどうかや、登記をしたかどうかではなく、実質的に不動産を取得したかで判断されます。したがって、贈与でも課税され、未登記でも課税対象になることがあります。

注意ポイント
【注意ポイント】「贈与は課税、相続は非課税」を逆にしない

無償で受け取るという意味では贈与も相続も似ていますが、税務上の扱いは異なります。宅建試験では「無償だから贈与も非課税」と誤認させる肢が定番です。迷ったら、相続だけが非課税と押さえるのが安全です。

3免税点(いくら未満なら課税されない?)

取得した不動産の価格があまりに小さい場合まで課税すると、税額より徴税コストのほうが大きくなります。そこで、不動産取得税には免税点が設けられています。

取得したもの 免税点(これ未満なら課税されない)
土地 10万円 未満
家屋(新築・増築・改築) 23万円 未満
家屋(売買・贈与など建築以外) 12万円 未満
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学習のコツ
【学習のコツ】「土地10・家屋12/23」で覚える

数字だけを見ると混乱しやすいので、「土地は10万円」「家屋は建築なら23万円、それ以外なら12万円」と、土地と家屋を分けて短いフレーズで暗記すると定着しやすくなります。

注意ポイント
【注意ポイント】「未満」なので、ぴったりの額は課税される

土地10万円ちょうど、建築による家屋23万円ちょうど、建築以外の家屋12万円ちょうどは、いずれも免税点未満ではありません。試験では「以下」と読み違えさせる肢がよく出ます。

4課税標準と税率の基本

不動産取得税の計算式はシンプルで、税額 = 課税標準 × 税率です。ただし、宅建試験では「課税標準」と「税率」の特例が別々に問われるため、両者を混同しないことが重要です。

税額 = 課税標準 × 税率
計算式自体は単純ですが、何を課税標準にするか、何%を掛けるかに特例があります。

① 課税標準

課税標準は、実際の購入価格や建築費ではなく、原則として固定資産課税台帳に登録された価格です。まだ台帳に登録されていない家屋については、統一基準に基づいて都道府県知事が価格を決定します。

重要ポイント
【重要ポイント】宅地評価土地は「価格」を1/2にする

令和9年(2027年)3月31日までに取得した宅地評価土地は、課税標準となる土地の価格を1/2にして計算します。ここで1/2になるのは税率ではなく課税標準です。

② 税率

区分 税率
土地 3%(令和9年3月31日までの特例)
住宅 3%(令和9年3月31日までの特例)
住宅以外の家屋 4%(原則税率)
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注意ポイント
【注意ポイント】「土地は税率1/2」ではない

宅地評価土地は、税率を半分にするのではなく、まず課税標準となる価格を1/2にしてから税率3%を掛けます。「価格1/2」と「税率3%」をセットで覚えておくと、計算問題で崩れにくくなります。

5【頻出】住宅・住宅用土地の軽減特例

不動産取得税では、住宅の取得や住宅用土地の取得について、負担を軽くする特例が用意されています。宅建試験では、この部分が最も実戦的に問われます。

① 新築住宅の特例

新築住宅の要件
  • 床面積が50㎡以上240㎡以下
  • 戸建以外の貸家住宅は40㎡以上240㎡以下
  • 評価額から1,200万円控除
補足特例

一定の認定長期優良住宅については、一般住宅より控除額が大きくなります。

課税標準から 1,300万円 控除

重要ポイント
【重要ポイント】一般住宅は1,200万円、認定長期優良住宅は1,300万円

2026年本試験対策では、一般住宅の1,200万円控除に加え、認定長期優良住宅の1,300万円控除も押さえておくと安心です。ただし、まず軸になるのは一般住宅の1,200万円控除です。

② 中古住宅の特例

中古住宅の軽減には、自己居住用であることや、新耐震基準との関係が加わります。

主な要件 内容
床面積 50㎡以上240㎡以下
利用目的 自己の居住用
耐震要件 昭和57年1月1日以後に新築、または新耐震基準適合の証明があること
耐震改修型 取得後6か月以内に耐震改修を行い、適合証明を受けるものも対象
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新築された時期 控除額
昭和56年7月1日~昭和60年6月30日 420万円
昭和60年7月1日~平成元年3月31日 450万円
平成元年4月1日~平成9年3月31日 1,000万円
平成9年4月1日以降 1,200万円
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③ 住宅用土地の税額控除

建物だけでなく、要件を満たす住宅が建つ土地にも減額があります。ここでは、課税標準の特例ではなく、税額控除である点が重要です。

要点 内容
前提 建物が住宅特例の要件を満たしていること
新築住宅用土地 土地取得から3年以内に住宅が新築される場合など
中古住宅用土地 土地取得の前後1年以内に自己居住用中古住宅を取得する場合など
減額される額 45,000円
土地1㎡当たりの価格 × 1/2 × 住宅床面積の2倍(200㎡限度) × 3%
のいずれか多い額
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注意ポイント
【注意ポイント】建物の特例と土地の特例は別物だが、土地は建物要件に引っ張られる

土地だけを見て判断すると間違えやすい論点です。住宅用土地の軽減は、上に建つ住宅が特例要件を満たしてはじめて使えるのが基本です。土地単独で完結する制度ではありません。

6徴収方法と申告

不動産取得税は、自分で税額を計算して納める申告納付方式ではなく、都道府県から通知を受けて納める普通徴収が基本です。

徴収方法

普通徴収

都道府県から送付される納税通知書に基づいて納めます。

申告

不動産を取得した者は、原則として都道府県条例で定める期間内に、取得した不動産について申告します。軽減特例の適用には申告が必要になることがあります。

重要ポイント
【重要ポイント】軽減特例は申告しないと受けられないことがある

住宅や住宅用土地の軽減は、自動で必ず反映されるとは限りません。試験では条文知識が中心ですが、実務寄りの理解として「特例は申告が前提になる場合がある」と押さえておくと整理しやすくなります。

学習のコツ
【学習のコツ】最後は「主体・数字・特例の位置」で総点検する

不動産取得税は、論点が多いように見えても、最後は①誰が課税するか、②免税点や税率の数字、③課税標準の特例か税額控除か、の3点に集約できます。この3本柱で見直すと得点しやすくなります。

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