固定資産税

2026年(令和8年)10月本試験対応

固定資産税を完全攻略

「1月1日」「30万・20万・150万」「1/6・1/3・1/2」を混同せず、不動産取得税との違いまで一気に整理!

「誰が払うのか」「いつの所有者で決まるのか」「住宅用地の特例は課税標準か税額か」など、宅建受験生が混乱しやすい固定資産税の基本と特例を、比較しながらわかりやすく整理します。

1固定資産税とは?(基本事項)

固定資産税は、土地や家屋、償却資産を持っている人に対して毎年課される税金です。不動産取得税が「取得したときに一度だけ」かかるのに対し、固定資産税は所有している限り、毎年かかる点が大きな違いです。

宅建試験では、固定資産税そのものよりも、「課税主体」「1月1日ルール」「免税点」「住宅用地の特例」「新築住宅の減額特例」がよく問われます。まずはこの全体像を押さえましょう。

誰が課税する?(課税主体)
市町村

固定資産税は市町村税です。なお、東京23区では特例により東京都が課税しますが、宅建ではまず「固定資産税=市町村税」と整理しておけば十分です。

何に対して?(課税客体)
土地・家屋・償却資産

宅建試験では主に土地と家屋が問われます。不動産取得税との比較問題も頻出です。

学習のコツ
【学習のコツ】不動産取得税との違いをセットで覚える

固定資産税は「持っている人に毎年」、不動産取得税は「取得した人に一度だけ」です。さらに、固定資産税は市町村税、不動産取得税は都道府県税です。税の名前だけでなく、課税主体・課税のタイミング・特例のかかり方を並べて整理すると、ひっかけに強くなります。

2【重要】誰が払う?(1月1日のルール)

固定資産税で最もよく問われるのが、その年の税金を誰が払うのかです。ここで登場するのが、いわゆる「1月1日ルール」です。

1月1日現在の所有者が納税義務者になる

固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)現在において、固定資産課税台帳や登記簿に所有者として登録されている者が、その年の納税義務者になります。

定番問題
Aが所有する土地を2月1日にBへ売却し、所有権移転登記も済ませた。
その年の固定資産税の法律上の納税義務者は A です。
売買が1月2日以降なら、その年の納税義務者は変わりません。実務では売主・買主が日割精算することがありますが、これは契約上の精算であって、税法上の納税義務者そのものが変わるわけではありません。
重要ポイント
【重要ポイント】所有者の判定は「その年の途中の事情」で動かない

その年の途中で売却したり、建物を取り壊したりしても、その年の固定資産税の納税義務者は原則として変わりません。宅建では、「1月1日現在の所有者」という基準をぶらさず判断することが重要です。

注意ポイント
【注意ポイント】質権と抵当権を混同しない

抵当権者は通常、その不動産を使用収益しないため納税義務者にはなりません。一方、試験では質権者が納税義務者になる点が問われることがあります。ここは細かいですが、固定資産税のひっかけとして知られています。

3免税点(いくら未満ならタダ?)

固定資産税には、課税標準額が少額すぎる場合には課税しないという免税点があります。この数字は、不動産取得税の免税点(10万円・23万円・12万円)と混同しやすいため要注意です。

固定資産の種類 免税点(これ【未満】なら非課税)
土地 30万円 未満
家屋 20万円 未満
償却資産 150万円 未満
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免税点は、同一市町村内で同一人が所有する土地・家屋・償却資産ごとにそれぞれ合計して判定します。たとえば、同じ市内に土地を複数持っていて、その合計課税標準額が30万円以上なら、土地については課税されます。

注意ポイント
【注意ポイント】「未満」と「以下」を取り違えない

土地30万円、家屋20万円、償却資産150万円はすべて「未満」です。したがって、30万円ちょうど・20万円ちょうど・150万円ちょうどは免税点未満ではなく、課税されます。

4課税標準と特例(住宅用地の特例)

固定資産税の基本的な計算式は、税額 = 課税標準 × 税率です。標準税率は1.4%ですが、住宅が建っている土地には非常に大きな特例があります。

課税標準は原則として
固定資産課税台帳に登録された価格を基礎として算定
宅地などでは特例により、そのままの価格ではなく軽減後の課税標準で税額を求めます。

住宅用地の課税標準の特例

住宅が建っている土地は、生活の基盤になるため、課税標準を大きく引き下げる特例があります。

住宅用地の区分 範囲 固定資産税の課税標準
小規模住宅用地 住宅1戸につき 200㎡以下 価格 × 1 / 6
一般住宅用地 住宅1戸につき 200㎡超 の部分 価格 × 1 / 3
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ここで軽減されるのは税率ではなく、課税標準です。つまり、「税率1.4%を1/6にする」のではなく、「もとの価格を1/6にした額に1.4%をかける」と理解します。

重要ポイント
【重要ポイント】200㎡以下は1/6、200㎡超部分は1/3

固定資産税では、住宅1戸につき200㎡以下の部分が小規模住宅用地です。ここを超える部分は一般住宅用地として1/3になります。数字だけでなく、どこまでが1/6で、どこからが1/3かを区別して覚えましょう。

注意ポイント
【注意ポイント】空家等への勧告で特例が外れる

倒壊等のおそれがある管理不全空家や特定空家等について、自治体から勧告を受けると、住宅用地の特例が外れることがあります。宅建試験では頻度は高くありませんが、最近の制度として押さえておくと理解が深まります。

5税額の減額特例(新築住宅の特例)

住宅用地の特例が土地の課税標準を軽減するのに対し、こちらは家屋の税額そのものを減額する特例です。不動産取得税の「1,200万円控除」と混同しやすいので、整理して覚えましょう。

新築住宅の税額減額特例

一定の要件を満たす新築住宅については、令和11年3月31日までに新築されたものを対象に、固定資産税が軽減されます。

床面積のうち 120㎡まで の部分について、
税額を「1 / 2」に減額
  • 床面積要件:50㎡以上280㎡以下(一戸建て以外の貸家住宅は40㎡以上280㎡以下)
  • 一般の住宅:新築後3年度分 減額
  • 3階建以上の耐火・準耐火建築物:新築後5年度分 減額
学習のコツ
【学習のコツ】取得税と固定資産税の新築特例を横並びで覚える

不動産取得税は「新築住宅なら課税標準から1,200万円控除」、固定資産税は「新築住宅なら税額を1/2に減額」です。さらに、面積要件も取得税は50〜240㎡、固定資産税は50〜280㎡が基本です。控除なのか、減額なのか。課税標準なのか、税額なのか。この違いを意識するのが得点への近道です。

重要ポイント
【重要ポイント】減額されるのは120㎡までの部分だけ

床面積が150㎡の住宅であれば、150㎡全部が半額になるのではなく、120㎡分だけが減額対象です。残り30㎡分には通常の税額がかかります。

注意ポイント
【注意ポイント】「3年・5年」と「5年・7年」を混同しない

一般の新築住宅は3年、3階建以上の耐火・準耐火建築物は5年が基本です。これに対し、認定長期優良住宅は一般住宅で5年、マンション等で7年になる特例があります。数字の組み合わせが似ているので、比較で覚えると安全です。

6縦覧・閲覧と審査の申出

固定資産税では、「自分の土地や家屋の評価は適正か」「税額の内容はどうなっているか」を確認する仕組みとして、縦覧制度閲覧制度があります。また、価格に不服がある場合には、固定資産評価審査委員会に審査の申出ができます。

制度 何を確認するか ポイント
縦覧 他の土地・家屋と比べて自分の価格が適正かを見る 主に価格の比較が目的。期間は毎年4月1日からの一定期間です。
閲覧 自分の固定資産課税台帳の内容を確認する 価格だけでなく、課税標準や税額など自分の情報を年間を通じて確認できます。
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審査の申出

固定資産課税台帳に登録された価格に不服があるときは、納税通知書の交付を受けた日の翌日から起算して3か月以内に、固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができます。

ここで注意したいのは、審査の申出の対象が価格である点です。納税義務者の認定や非課税の認定など、価格以外に不服がある場合は、別の不服申立て手続になります。

注意ポイント
【注意ポイント】申出先は都道府県知事ではない

固定資産税は市町村税なので、価格に対する不服の申出先は都道府県知事ではなく、固定資産評価審査委員会です。税法では「誰に申し出るか」がよく問われます。

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