媒介契約書

2026年(令和8年)10月本試験対応

「一般・専任・専属専任」の違い、レインズ登録、34条の2書面の罠を図解で一気に整理!

1媒介契約とは?(契約の3タイプ)

媒介契約とは、売主や買主が宅建業者に対して、相手方を探したり条件を調整したりしてもらうために結ぶ契約です。宅建試験では、まず「一般」「専任」「専属専任」の3つの類型を比較して整理することが重要です。

この3類型は、依頼者の自由度と、宅建業者に課される義務の強さが違います。自由度が下がるほど、宅建業者側のレインズ登録義務や報告義務が重くなります。

一般媒介契約

複数の宅建業者に重ねて依頼できる、一番自由度の高い契約です。自己発見取引も可能で、法定のレインズ登録義務や定期報告義務はありません。

専任媒介契約

依頼先は1社に限定されますが、自分で見つけた相手方と直接契約することはできます。代わりに、業者にはレインズ登録と2週間に1回以上の報告義務があります。

専属専任媒介契約

依頼先を1社に限定し、さらに自己発見取引も禁止される最も拘束の強い契約です。その分、業者にはより短い登録期限と、1週間に1回以上の報告義務が課されます。

学習のコツ
【学習のコツ】「他社依頼」「自己発見」「レインズ」「報告」の4軸で比較する

媒介契約は細かい数字や可否が多く、そのまま暗記すると混乱しやすい分野です。①他社への重ね依頼、②自己発見取引、③レインズ登録、④業務報告の4つを表で横並びにすると、一気に整理しやすくなります。特に、専任と専属専任の違いは「自己発見ができるか」で見分けると覚えやすいです。

重要ポイント
【重要ポイント】自由度が低い契約ほど、業者の義務が重くなる
  • 一般媒介は依頼者の自由度が高い反面、業者の法定義務は比較的軽いです。
  • 専任媒介になると、他社依頼ができない代わりに、レインズ登録と定期報告が必要になります。
  • 専属専任媒介は、自己発見取引まで制限する代わりに、最も短い期限で登録・報告をしなければなりません。
注意ポイント
【注意ポイント】「専任」と「専属専任」を混同しない

試験では、専任媒介なのに「自己発見取引は禁止」とする誤りや、専属専任なのに「自分で見つけた相手方と直接契約できる」とする誤りが頻出です。両者の最大の違いは、自己発見取引ができるのは専任まで、できないのは専属専任という点です。

2【比較】他社への依頼と自己発見取引

① 他の宅建業者へ重ねて依頼できるか

「A社に頼んだ物件を、さらにB社にもお願いできるか」という論点です。ここでは、一般媒介だけが重ね依頼可能です。

  • 一般媒介: できる(制限なし)
  • 専任媒介: できない(禁止)
  • 専属専任媒介: できない(禁止)

② 自己発見取引ができるか

「依頼者が自分で買主や売主を見つけたとき、業者を通さずに直接契約できるか」という論点です。ここが専任媒介と専属専任媒介を見分ける決定的なポイントです。

自己発見取引(依頼者自身が相手方を見つける)の可否
依頼者 (売主・買主) 相手方 (買主・売主) 宅建業者 直接契約 OK(一般・専任) 直接契約 NG(専属専任)

※専属専任媒介契約では、自分で見つけた親族や知人が相手方であっても、依頼した宅建業者を通さずに直接契約することはできません。

重要ポイント
【重要ポイント】「他社依頼NG」と「自己発見NG」は別のルール
  • 専任媒介も専属専任媒介も、他社への重ね依頼はできません。
  • しかし、自己発見取引まで禁止されるのは専属専任媒介だけです。
  • したがって、専任媒介は「他社依頼NG・自己発見OK」、専属専任媒介は「他社依頼NG・自己発見NG」と整理すると崩れにくいです。
注意ポイント
【注意ポイント】一般媒介は「明示型」と「非明示型」も出題対象

一般媒介では、他に依頼した宅建業者名を明らかにする「明示型」と、明らかにしない「非明示型」があります。条文比較の中心は専任・専属専任ですが、一般媒介側の用語が選択肢に混ざることもあるため、名前だけでも押さえておくと安全です。

3【比較】有効期間と更新ルール

依頼者の自由が制限される専任媒介・専属専任媒介では、契約期間や更新方法にもルールがあります。ここでは「3か月」と「自動更新不可」が最重要です。

有効期間と更新の比較
一般媒介 専任・専属専任
有効期間の上限 法律上の制限なし
ただし標準媒介契約約款では3か月
最長 3か月
3か月を超えて定めた場合 法律上はその定めに従う 3か月に短縮される
全体が無効になるわけではない
更新の方法 制限なし 依頼者からの申出による更新のみ可能
自動更新特約 問題になりにくい 無効
◁ 横スライド ▷
学習のコツ
【学習のコツ】「専任系は3か月」と丸ごと固定する

有効期間では、専任媒介も専属専任媒介も同じく最長3か月です。ここで余計な枝分かれを作らず、「専任系は3か月・依頼者申出で更新・自動更新はダメ」とひとまとめにすると得点しやすくなります。

重要ポイント
【重要ポイント】3か月超の特約は「全部無効」ではない
  • 専任媒介・専属専任媒介で4か月や6か月と書いても、契約全体が無効になるわけではありません。
  • 有効期間部分が法律上の上限に合わせて3か月に短縮されます。
  • 試験では「4か月としたから契約は無効」とする誤りが典型です。
【注意ポイント】自動更新特約のワナ
「依頼者から解約の申出がなければ自動更新する」という専任・専属専任媒介の特約は無効です。更新は、依頼者からの積極的な申出によって行う必要があります。

4【比較】レインズと業務報告の義務

専任媒介・専属専任媒介では、宅建業者に対し、指定流通機構(レインズ)への登録義務と、依頼者への業務処理状況の報告義務が課されます。ここは5日・7日・1週間・2週間の数字を正確に区別できるかが勝負です。

指定流通機構(レインズ)への登録期限
一般 登録義務なし(任意)
専任 契約締結日の翌日から 7日以内 に登録
専属専任 契約締結日の翌日から 5日以内 に登録
最大の罠:日数計算では
宅建業者の休業日を含めない
契約日 1日 2日 休業日 ノーカウント 3日 4日 5日以内(専属専任) 5日
業務の処理状況の報告義務
契約類型 指定流通機構への登録 依頼者への報告
一般媒介 法定義務なし 法定義務なし
専任媒介 7日以内 2週間に1回以上
専属専任媒介 5日以内 1週間に1回以上
◁ 横スライド ▷
重要ポイント
【重要ポイント】登録したら「登録を証する書面」も交付する
  • 専任媒介・専属専任媒介でレインズに登録したときは、依頼者へ登録証明書を遅滞なく交付します。
  • 契約が成立したときは、その成約情報を指定流通機構へ通知します。
  • 単に期限内に登録するだけでなく、その後の書面交付や通知まで含めて流れを押さえると理解が深まります。
注意ポイント
【注意ポイント】申込みがあったときは「遅滞なく」報告

定期報告とは別に、買付けや申込みがあったときは依頼者へ遅滞なく報告する必要があります。「2週間に1回以上報告すればよいから、申込みがあっても次回まとめて伝えてよい」という理解は誤りです。

5【超重要】媒介契約書の記載事項と罠

媒介契約を締結した宅建業者は、依頼者に対して、遅滞なく媒介契約書(34条の2書面)を交付しなければなりません。ここでは、「何を記載するのか」と「宅建士の記名が必要か」が典型的なひっかけになります。

媒介契約書で最も間違えやすいポイント

34条の2書面には、

「宅建士」の記名は不要

※記名するのは宅建業者です。
※35条書面や37条書面では宅建士の記名が必要ですが、媒介契約書はそこが違います。毎年のように出る入れ替え問題なので、必ず分けて覚えましょう。

媒介契約書の主な記載事項

34条の2書面には、対象物件、有効期間、報酬、指定流通機構への登録に関する事項などを記載します。さらに、建物状況調査のあっせんの有無も近年の重要論点です。

主な記載事項
  • 物件を特定するために必要な事項
  • 売買・交換の価額または評価額
  • 報酬額・支払時期
  • 媒介契約の有効期間と更新に関する事項
  • 指定流通機構への登録に関する事項
  • 建物状況調査を実施する者のあっせんの有無
  • 標準媒介契約約款に基づくかどうか
【重要ポイント】価額の根拠は「説明」が必要

宅建業者が「この物件は○○万円で売れる」と価額や評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにして説明しなければなりません。

ただし、根拠を34条の2書面に書かなければならないわけではありません。書面記載義務と説明義務を混同しないことが大切です。

【注意ポイント】標準媒介契約約款と建物状況調査の記載

標準媒介契約約款を使う義務はありませんが、媒介契約書には「標準媒介契約約款に基づくか、基づかないか」を記載します。

また、既存住宅の取引では、建物状況調査を実施する者のあっせんの有無も重要な記載事項です。

2024年4月1日施行の標準媒介契約約款では、既存住宅についてあっせんを「無」とする場合の理由欄が設けられました。試験では、「あっせんの有無は書くが、あっせん自体は必ずしも義務ではない」という切り分けも意識しておくと強いです。

学習のコツ
【学習のコツ】「誰が書くか」と「何を書くか」を分けて覚える

34条の2書面では、記載事項そのものの暗記だけでなく、「宅建士の記名は必要か」「価額の根拠は書面に書くのか口頭説明で足りるのか」など、義務の主体や方法がよく問われます。書面記載事項と説明義務を別の箱で覚えると、引っかけに強くなります。

この科目をさらに「得点源」にするPDF教材

A4サイズ1枚に情報を凝縮。印刷して直前暗記や問題演習の横に置いて使える専用資料です。(各100円)

¥100
媒介契約3種類 完全比較表

一般・専任・専属専任の「他社依頼」「自己発見」「有効期間」「報告義務」を横断比較できる暗記シートです。

¥100
レインズ・報告義務 タイムライン図解

5日・7日・1週間・2週間の数字を、休業日の扱いまで含めて視覚的に整理できます。

¥100
34条の2書面 ひっかけ対策集

宅建士の記名不要、価額の根拠、標準約款、建物状況調査のあっせんなど、頻出の罠をまとめて確認できます。